第74回日本大腸肛門病学会学術集会

  • 2019年10月11日(金)~12日(土)ヒルトン東京お台場にて開催

プログラム

公募演題タイトルのご案内

シンポジウム(公募,一部指定)
シンポジウム1 大腸癌腹膜播種に対する治療法

 近年の大腸癌治療の進歩にもかかわらず腹膜播種は未だ制御困難な進展・再発形式であり,治療成績向上の大きな障壁となっている.最新の規約でも腹膜播種はM1cと他の遠隔転移と一線を画し,病期はStage IVcに分類された.腹膜播種は大量腹水や腸閉塞を惹起することも多く,患者のQOLを著しく損なう原因となる.胃癌では腹腔内洗浄細胞診の有用性が確立し術式選択に生かされており、また審査腹腔鏡検査で播種を診断し抗癌剤治療を優先する症例も存在する。大腸癌における腹膜播種は決して高率ではないが、生命予後への影響は大きく、播種の程度による治療戦略の確立は喫緊の課題である.本セッションでは腹膜播種に関する単施設あるいは多施設の臨床成績、および臨床研究に基づいた新たな知見を報告していただき,腹膜播種の診断法,手術治療,分子標的薬を含めた化学療法など、治療戦略について討論をお願いしたい.
Ⅱa
シンポジウム2 臨床試験の成績を踏まえ側方郭清の今後を考える

 進行下部直腸癌の欧米における標準治療は術前化学放射線療法(CRT)後の全直腸間膜切除術 (TME) である.一方本邦では従来から,側方リンパ節郭清 (LLND) を伴う 直腸間膜切除術 (ME) またはTME が標準治療とされてきた.マイルストンとなるJCOG 0212 試験では,手術単独症例においてLLNDが局所再発を減少させることが示されたが、全生存率に統計学的有意差が認められず ME + LLND の推奨のレベルはcontroversialである.さらに,CRTなどの術前治療を実施した場合にLLNDを省略できるか否かの検討は少ない.本セッションでは,側方リンパ節郭清実施の有無による周術期・長期合併症や腫瘍学的予後,QOLなどの各施設における比較成績を提示していただき、術前治療も含めて,各施設のLLNDの適応の変遷や,JCOG0212の結果を踏まえたLLNDの将来展望について議論していただきたい.
Ⅱa
シンポジウム3 大腸手術の周術期における外科感染症予防のためのベストプラクティス(外科感染症学会との共同シンポジウム)

 周術期のうち、特に術後の感染性合併症の発症は手術成績に大きな影響を及ぼす。手術部位感染症(SSI)予防のための米国CDCガイドラインは2017年に18年ぶりに改訂され、さらに2016年にWHOから、2017年にはACS/SISからもSSI予防に関するガイドラインが示された。しかし本邦にこれらのガイドラインをそのまま導入するには問題があり、2016年に日本化学療法学会・日本外科感染症学会により「術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン」が示され、また2018年には日本外科感染症学会から、「消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン」が発表された。今回、日本外科感染症学会との共同で周術期感染対策に関するシンポジウムを企画した。下部消化管外科では特にSSI発症は他の手術部位に比し高率で無視できない。これまでの経験に加えてエビデンスレベルの高い、臨床の場に即した新たな感染防止対策が示され、日常診療において参考となるセッションにしたい.
Ⅱa
シンポジウム4 クローン病に合併する肛門病変に対する治療

 クローン病肛門病変に対する治療指針について,「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班)が平成29年度総括・分担研究報告書としてまとめている.しかしながら実際の診療でクローン病に合併する肛門病変を診た場合に,その診療指針ですべてが解決できるわけではない.クローン病では肛門病変の重症度のみならず腸管病変の程度もさまざまであり,個々の症例に応じてテーラーメイドの集学的治療を行っているのが現状である.本学会は内科,外科,肛門科が一堂に会することのできる貴重な場であり、本シンポジウムでは各領域の医師がクローン病の肛門病変に対しどのように考え、いかにアプローチしているか、また、各領域における問題点も挙げて頂きたい。さらに短期的および長期的な治療成績を提示して頂きディスカッションを行うことで、各領域の現状をお互いが理解し、これからの診療科連携につながるセッションにしてゆきたい。
Ⅰ,Ⅱb
シンポジウム(ビデオ)5 痔瘻手術治療の現在地

 痔瘻の治療は瘻管を処理して,痔瘻の症状が起こらないようにすることである.痔瘻の根治の原則はcryptoglandular-infection theoryに基づいて,原発口,一次瘻管,原発巣を切除または開放することであるが,最近では一次瘻管や肛門上皮をいじらない手術(肛門上皮温存術式)も行われるようになってきている.原則に基づかない手術に関しては長期予後の成績が求められる.本セッションでは,低位,高位の筋間痔瘻,坐骨直腸窩痔瘻について各施設で標準的に行われている術式をビデオで紹介していただきたい.その際,何にこだわり,何に注意して行っているかを示すとともに,適応,再発率や禁制の問題についても述べていただきたい.本邦における現時点の痔瘻手術の実際について学べるセッションにしたい.
Ⅱb
シンポジウム(ビデオ)6 横行結腸癌D3郭清のこだわり

 大腸癌治療ガイドラインにおいてStage II以上の進行癌に対する標準的郭清はD3と規定され、その郭清範囲は取扱い規約によって示されている。右側あるいは左側結腸では解剖学的な血管の走行は比較的均一で、郭清手順もほぼ定型化されているものの、横行結腸における動静脈の走行はvariationに富み、中結腸動脈根部へのアプローチ、副右結腸静脈の処理、たびたび認められる副中結腸動脈の切離など、いずれも症例ごとに異なった対応が求められる。ビデオ・シンポジウムでは、横行結腸手術全般に通用する手順と、個々の症例にみられる変化に対応していくうえでの技について、”こだわり”を披露していただきたい。D3郭清を完遂するための安全かつ確実な方法についてディスカッションすることで、横行結腸領域における解剖や手術手順の整理、さらには今後の手術上達のヒントになることを期待します。
Ⅱa
パネルディスカッション(公募,一部指定)
パネルディスカッション 1 早期大腸癌治療後のフォローアップ

 pStage I大腸癌手術後のサーベイランスは術後5年間を目安とし、特に3年間は3か月毎の腫瘍マーカーの確認、半年毎のCT、および1~2年ごとの大腸内視鏡検査がガイドラインで推奨されている。しかし、pT1癌に限った場合、外科的切除後の再発率は1%であり、その他のStageと同等の内容で検査を進めてよいのかcontroversialである。一方、内視鏡摘除後に行う大腸内視鏡検査は(1)局所遺残の監視(2)見逃し病変の拾い上げ(3)異時性に発生する腫瘍の早期発見、を目的として実施されるが、比較的高率に病変が発見されることからその重要性は広く認識されている。しかしながら、その検査間隔や実施期間については明確なコンセンサスが得られていない。本パネルディスカッションでは各施設より症例を持ち寄っていただき至適フォローアップ方法について示していただきたい。早期大腸癌治療後の再発率・異時性腫瘍発生率およびその時期に基づいたエビデンスベースの議論を行うことで、今後明らかにすべき課題を共有し、将来の発展に道筋をつけたい。
Ⅰ,Ⅱa
パネルディスカッション 2 高齢者に対する炎症性腸疾患の治療

 有病率の増加と、若齢発症者の高齢化、さらに高齢発症の増加から高齢者炎症性腸疾患は増加している。また、炎症性腸疾患の新しい治療薬は矢継ぎ早に開発されているが、高齢者では並存症を有する症例や全身状態の不良な症例が少なくなく、強力な治療により不良な転帰に至ることも少なくない。したがって、非高齢者とは異なる内科治療方針や、手術のタイミング、手術術式の選択等が求められる。しかし、高齢者の治療成績は臨床試験からは並存症の影響を考えて除外されることが多く、エビデンスは少ない。本セッションでは、これらの臨床的な諸問題について、内科的側面および外科的側面から討議し、炎症性腸疾患診療のさらなる質の向上につながる様なディスカションの場にしたいと考えている。多数の演題の登録を期待します。
Ⅰ,Ⅱa
パネルディスカッション 3 専門領域の連携による炎症性腸疾患の治療

近年、生物学的製剤に代表される新薬の開発と普及により、炎症性腸疾患(クローン病と潰瘍性大腸炎)の治療は急速な進歩を遂げ、新規治療の良好な有効性が示されている。また、排便時出血や難治性痔瘻などで肛門科を受診し、炎症性疾患との診断で早期の治療が開始される症例も少なくない。一方で、内科的治療の選択肢が増え、肛門病変を含めた手術適応、緊急手術のタイミングや待機的手術の判断、手術術式の選択、術後管理などに考慮が必要となっている。さらに、長期経過例が増加するに伴い、腸管癌合併例が増加している。このように炎症性腸疾患患者の長期予後の改善のためには、患者の背景因子を考慮した内科治療の選択や、合併症への対策、適正な手術適応と手術時期の判断、炎症性発癌のサーベイランスの検討が必要となっている。本疾患に対する適正な診断と治療には内科、外科、肛門科の緊密な連携が不可欠といえる。本セッションでは、炎症性腸疾患の治療法に関する問題点を内科、外科および肛門科の立場から提示頂き、各領域の連携からみた炎症性腸疾患診療のありかたについて議論してみたい。多数の演題の登録を期待します。
全て
パネルディスカッション 4 直腸癌骨盤内再発の治療の現状と問題点

 直腸癌における術後局所再発は8.8%で、肝再発や肺再発より高率であることが大腸癌治療ガイドラインに紹介されている。直腸癌骨盤内再発はひとたび再発が起きると、QOLが著しく低下することが大きな問題である。再発巣の完全切除が期待できる際に切除を考慮し、困難と判断された場合に全身化学療法や放射線療法を選択するのが一般的であるが,明確な治療選択基準がないのが現状である。一方、重粒子線治療などの新規治療法の開発、新規抗癌剤使用による成績の向上なども相俟って、治療選択の幅が拡大している。このような現状を踏まえ、今後の直腸癌骨盤内再発の治療はどのようにすべきか、各治療の功罪について議論いただくとともに、症例提示により実臨床における治療上の問題点を明らかにし、直腸癌骨盤内再発治療に対する新たな治療戦略を議論したい。
Ⅱa
パネルディスカッション 5 骨盤臓器脱の治療と成績

近年,高齢化にともない骨盤底筋の脆弱化による広義の骨盤臓器脱(Pelvic organ prolapse、以下POP)が増加傾向にある.膣からは子宮、膀胱、小腸、直腸(瘤)などが、肛門からは直腸が脱出を呈する.POPは良性疾患であるが、脱出に伴う不快な症状は患者のQOLを著しく損なうものである.
外科領域では直腸脱の診療が主体となるが、POPは複数の臓器脱が併存する頻度が高いため泌尿器科や婦人科など領域を超えた横断的な治療が求められている.
昨年の本学会では「直腸脱に合併したPOPの治療法」について議論していただいたが、今回のパネルディスカッションでは,様々なPOPについて各演者の治療のポリシー,診断方法,手術適応、治療法の選択とその術式,治療成績について幅広く論じていただきたい.
Ⅱa,Ⅱb
パネルディスカッション 6 cold polypectomyの現状と課題

 近年、大腸ポリープに対する内視鏡的摘除法としてcold (forceps / snare) polypectomyが提唱され,本邦でも急速に普及してきている.本手技は簡便性・安全性・優れた費用対効果などが利点とされているが,forceps / snare各々で,(1) 対象となる病変のサイズや肉眼形態は? (2) 適応病変の診断は正しくなされているのか?(3) 病変は完全に摘除できているのか?(遺残・再発はないのか?) (4) 病理組織学的評価に耐えうる摘除標本が得られるのか? (5)抗血栓薬を継続したままでも安全に施行できるのか?(6) 出血予防処置の必要性と工夫は?など,検討すべき問題点が山積していると思われる.本パネルディスカッションは,「大腸ポリープ治療におけるcold ( forceps / snare ) polypectomyの現状と課題」と題し,cold polypectomyの本邦における現状と問題点について検討したいと考えている.多くの応募を期待する.
パネルディスカッション(ビデオ) 7 Ta-TMEにおける手技、標準化に向けて

 直腸間膜全切除(TME)が導入されて以来、直腸癌術後局所再発率が大幅に改善し、欧米本邦を問わず標準術式となっている.近年,革新的なアプローチ法として経肛門的直腸間膜全切除 (taTME) が国際的に導入され,taTMEの腹腔鏡下手術に対する優越性を検証する試験もスタートしている.腹腔鏡手術では操作の難渋することのある下部直腸周囲の剥離に強みを有し、現在広く注目されている術式であるが、各施設および各術者間において手技に隔たりのあることから、標準化への道のりは険しい。 本ビデオ・パネルディスカッションでは,各施設で行われているtaTMEの定型化の試み、および利用するランドマークについて披露して頂き,標準化につなげるための方策について討論して頂きたい.
Ⅱa
パネルディスカッション(ビデオ) 8 腹腔鏡手術における開腹移行、その決断のポイント

 腹腔鏡下手術は,拡大視効果によって緻密な操作が可能であり,漿膜浸潤やリンパ節転移を伴う進行癌や高度腹腔内癒着を伴う症例に対しても施行されるようになってきた.高難度な腹腔鏡下手術においては,様々なピットホールが存在し,それに起因した術中トラブルや術後合併症を併発した症例報告も散見される.腹腔鏡下手術では,一旦トラブルに見舞われるとその修復に難渋して開腹移行を余儀なくされる場合もある。本ビデオ・パネルディスカッションでは,解剖学的あるいは技術的な原因を背景とした様々なトラブルを提示していただき,開腹移行を決断するポイントについて議論していただきたい.
Ⅱa
パネルディスカッション (ビデオ)9 痔核手術における術式のこだわり

 痔核の手術は単に病変を切除すれば良いのではなく術後の機能温存や形成面へ配慮して行われるべきである。痔核手術の基本は結紮切除術とされているが,結紮切除術といっても各施設,術者により方法はさまざまである. ALTA療法なども加わり,さらにその併用療法も行われている.また痔核自体を切除しないPPH法,ACL手術なども行われている.その選択は痔核を手術する医師に委ねられることが多いが,各種治療を行う際に術者としてのこだわりがあるはずである.今回は演者が痔核を手術する際に,何のために何にこだわってその術式を行うのかを述べていただき,術式の選択のヒント,手術の技術が向上するヒントになるセッションにしたい.
Ⅱb
ワークショップ(公募,一部指定)
ワークショップ 1 大腸癌のPrecision medicineの現状と展望

 2015年オバマ大統領(当時)が一般教書演説においてPrecision Medicine Initiativeを発表した。これは“Average patient”向けにデザインされていた従来の癌の治療法からの脱却を図り、遺伝子、環境、ライフスタイルに関する個人ごとの違いを組み入れた最善の癌の予防法・治療法を確立するものである。そこには2.15億ドルという予算が充てられて、新たな癌の治療法開発のほか、研究インフラ整備のための官民連携、医療に関する規制の見直しやデータベースの構築、大規模な研究コホートの創設などを目指すというものである.
現在、治療に対する反応性を正確かつ再現性よく判別することのできる客観的指標、バイオマーカーの研究が集中的に行われ、成果が生み出されている.バイオマーカーの目指すところは,薬物作用,治療効果予測,予後予測,モニタリングなど多彩であるが,その最終的な目標は,患者が最善の治療を受け,可能な限り不必要な治療や毒性を回避し、かつ医療経済的にも効果が期待出来るところにある.本ワークショップでは,大腸癌におけるバイオマーカーの開発や臨床応用など幅広い視点での演題を募集し,その課題と期待できる効果,内科医および外科医の今後の役割などについて議論したい.
Ⅰ,Ⅱa
ワークショップ 2 炎症性腸疾患関連腫瘍に対する診療の課題と将来展望

IBDは慢性炎症を背景とした癌発生の高危険群であり、癌の早期発見および治療はIBD診療における大きな課題となっている。UCでは定期的な内視鏡サーベイランスおよび癌合併に対しては大腸全摘が推奨されているが、サーベイランスの方法、初期病変の拡大内視鏡を含めた内視鏡像の特徴、再生異型や通常腫瘍との鑑別、治療ではQOLを考慮した術式の工夫、全ての症例・病変に大腸全摘が必要かなど、議論すべき点が少なくない。一方、クローン病においても近年癌化の問題が注目されているが、サーベイランスの方法は確立しておらず進行癌となって発見される例も多い。本邦では直腸肛門管癌が多いといった特色があり、また狭窄を伴うことが多いクローン病の腸管病変の中から癌化巣を早期に発見することの困難さがある。本セッションでは消化器内科医、内視鏡医、外科医とそれぞれの立場からどのように診断・治療戦略をたてて診療を行っているかについて、多数経験を有する先生から発表をいただきディスカッションをお願いしたい。
Ⅰ,Ⅱa
ワークショップ 3 Triplet regimenの臨床的位置づけと副作用のマネージメント

 2007年にFalcone Aらによって有効性が報告されたFOLFOXIRI regimenは,奏効率と転移巣切除率の高さ、生存期間の改善が認められ、注目を浴びた。また、bevacizumabとの併用における有効性、安全性も確認された。さらに高い奏効率を目指して抗EGFR抗体薬との併用試験も報告され,適用が拡大している。一方、副作用の懸念は強く、投与前のUGT1A1遺伝子多型の検査が必須であることは当然として、適切な投与対象の選択が議論され、原法と異なるレジメンも開発されている。
本邦では、第II相試験としてQUATTRO試験が行われ、無増悪生存期間中央値13.3ヶ月と良好な成績を示している一方、発熱性好中球減少21.7%と副作用に十分注意を払うべき結果であった。
このregimenはRAS/BRAFのstatusやsidednessに関わらず高い奏効率と,無増悪生存期間の長さ等の魅力があり、実臨床での使用実績が増えてきている。
本セッションではこのtriplet regimenの至適な適応と,注意すべき副作用に関して意見を募り、本邦の大腸がん薬物療法における実地臨床での位置づけを議論したい。
ワークショップ 4 大腸癌におけるリキッドバイオプシーの有用性

大腸癌領域では、血清CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーが、がん診断や治療効果判定のモニタリングに有用な指標として広く実臨床で利用されてきた。近年、腫瘍内の遺伝子発現あるいは遺伝子変異の解析を加えることで、腫瘍進行度予測、予後予測あるいは化学療法や放射線療法の治療効果予測が可能となるとの報告が散見される。さらに、腫瘍から血液中に逸脱した遺伝子情報を把握することできる斬新的検査法、リキッドバイオプシーが現実のものとなりつつある。侵襲が少ない血液などの体液サンプルを使うため、繰り返しの評価が可能でモニタリングに適しており、急速に研究開発が進められてきている。
本ワークショップでは、大腸癌治療に実用化可能なリキッドバイオプシーに関する様々な橋渡し研究を報告していただきたい。
Ⅰ,Ⅱa
ワークショップ 5 大腸癌に対する免疫療法―基礎と臨床

 これまで、 消化器癌では,胃癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性を検討する臨床試験が実施され、その意義が示された。大腸癌においても、MSI-HまたはdMMRの切除不能大腸癌既治療例に、抗 PD -1抗体薬療法を行うこと強く推奨する、との文言がガイドラインに盛り込まれる予定である。これまで長きにわたり癌ワクチンや樹状細胞療法などの免疫療法の検討がなされてきた歴史があるが,近年免疫チェックポイント分子つまり癌免疫逃避機構の解明が進み、これを臨床応用することで大きな飛躍を成し遂げた.加えて、遺伝子パネル検査も保険収載される予定となり、治療アルゴリズムが益々複雑化されていくことが予想される。しかしながら、高額な薬価が医療経済上の大きな問題となっている. 本ワークショップでは,大腸癌に対する免疫療法にまつわる基礎研究の報告と、臨床応用における位置付けや症例選択に有効なバイオマーカー研究などについて論じていただきたい.
Ⅰ,Ⅱa
ワークショップ 6 切除可能進行直腸癌の治療戦略

 本邦における局所進行直腸癌に対する標準治療は,直腸間膜切除 (TME) と側方郭清とされているが,欧米では術前 化学放射線療法(CRT )と TME が一般的となっている.これまでのところ両者とも一定の局所再発予防効果が示されているものの,生存率の向上に寄与していないとする報告が多い。症例を選択し、CRT後であっても側方郭清を追加する施設や.CRT の術後 QOL への影響を考慮して術前化学療法後の TME を実施する施設もある.また、術前療法実施症例に対する術後補助化学療法の有用性についてはcontroversialである。本セッションでは,局所進行直腸癌に対する各施設の治療戦略とその治療成績・術後合併症・長期 QOL を提示していただき,個別化治療の可能性、治療戦略のあり方について討論していただきたい.
Ⅰ,Ⅱa
ワークショップ 7 排便機能障害の評価と治療選択

 便失禁や便秘などの排便障害が日常生活に与える影響は大きい。排便機能を保ち、排便が問題なく行え、便禁制を維持することは、快適な生活を送る上で必須である。疾患・加齢・術後合併症など様々な原因で排便障害が発症しうるが、肛門機能評価は客観的に状況を把握する上で重要性は高い。直腸肛門内圧検査、排便造影検査、肛門管超音波検査など、各種肛門機能評価に基づいた治療選択および治療効果の評価が排便障害診療の基本となる。近年、仙骨神経刺激療法が導入され本邦でもデータの集積がなされている。本ワークショップでは、排便障害診療における肛門機能評価方法、その解釈と治療への応用、および治療成績について発表していただきたい。「直腸癌治療後の排便障害の現状と対応」が学会指定の継続検討課題に指定されており、術後合併症としての排便障害についてもあわせて討論いただきたい。
Ⅱa,Ⅱb
ワークショップ(ビデオ) 8 裂肛・肛門狭窄手術における術式のこだわり

 裂肛のほとんどは保存療法で改善し,肛門疾患の中では,最も手術移行率が低く,筆者らの検討では裂肛全体の約8%に手術が行われているに過ぎない.裂肛の手術の適応は,肛門狭窄を伴う症例,疼痛,出血が続き数ヶ月の保存的療法で改善しない症例等が手術適応となることが多い.一般的な手術としては皮膚弁移動術(SSG法,VY 法等),側方皮下内括約筋切開術(LSIS法),肛門拡張術(anal dilatation)などが行われており,同じ手術法でもその方法は各施設,術者により微妙に工夫され異なっており,各種手術を行う際には必ず術者としてのこだわり(工夫),有用点があると思われる.そこで当ワークショップ(ビデオ)では,演者が裂肛を手術する際に,何のために何にこだわって,その術式を行うのか(何を最も重要視しているか)など,術者としての工夫がわかるように手術動画のほかに術後成績,有害事象なども含めて発表して頂きたい.その結果,本学会の会員にとって当セッションが,裂肛に対する知識,診断の技術や手術技術,術後成績の向上につながる良い機会となることを期待したい.是非奮って,このセッションに応募して頂きたい.
Ⅱb

 

研修医(初期研修医)セッション・専修医(後期研修医)セッション

本学術集会では、研修医・専修医のセッションを設け、発表・表彰を行います。

対象:研修医(初期研修医)セッション「卒後2年まで、平成29-30年卒」
専修医(後期研修医)セッション「卒後5年まで、平成26-28年卒」

テーマは大腸肛門病に関する内容を広く受け付けます。非会員の方でも登録できますので、みなさま奮ってご応募ください。

 

要望演題

要望演題(公募、一部指定)
要望演題 1 StageII 大腸癌 Ⅱa
要望演題 2 カプセル内視鏡の有用性
要望演題 3 大腸癌肝転移に対する集学的治療 Ⅱa
要望演題 4 直腸脱に対する手術療法の問題点 Ⅱb
要望演題 5 ストーマ合併症に対する対応 Ⅱa
要望演題 6 直腸癌術後局所再発治療 Ⅱa
要望演題 7 NETの治療と成績 Ⅰ,Ⅱa
要望演題 8 直腸癌腹腔鏡手術の標準化 Ⅱa
要望演題 9 忘れられない1例 全て
要望演題 10 痔核の保存的治療 Ⅱb
要望演題 11 複雑痔瘻における手術の工夫 Ⅱb
要望演題 12 診療報酬における問題点 Ⅱa,Ⅱb
要望演題 13 IBDにおける手術適応 Ⅱa
要望演題 14 IBDにおける保存的治療の工夫
要望演題 15 ISRの問題点 Ⅱa
要望演題 16 ステント治療の中長期予後 Ⅱa
要望演題 17 複数の疾患の重なった肛門病変への対応 Ⅱb
要望演題 18 排便障害の評価と治療-パラメディカルを含めたチーム医療ー Ⅱa,Ⅱb
要望演題 19 内視鏡治療による合併症とトラブルシューティング
要望演題 20 偽性腸閉塞症の経験 Ⅰ,Ⅱa
要望演題 21 痔瘻癌の診断と治療 Ⅱa,Ⅱb

一般演題

一般演題の登録時には,以下のA項目から1件,B項目から1件をそれぞれお選びください。

一般演題(公募)A項目
A01 早期結腸癌
A02 早期直腸癌
A03 進行結腸癌
A04 進行直腸癌
A05 転移・再発
A06 遺伝性大腸癌・ポリポーシス
A07 その他の大腸悪性腫瘍
A08 大腸良性腫瘍
A09 潰瘍性大腸炎
A10 クローン病
A11 その他の炎症性腸疾患
A12 機能性腸疾患
A13 その他の大腸良性疾患
A14 イレウス
A15 直腸脱・骨盤臓器脱
A16 便秘・便失禁・排便障害
A17 痔核
A18 痔瘻
A19 裂肛
A20 その他の肛門疾患
A21 ストーマ
A22 高齢者
A23 小児
A24 その他
一般演題(公募)B項目
B01 検査・診断
B02 内科的治療
B03 内視鏡治療
B04 外科的治療
B05 鏡視下手術
B06 化学療法・免疫療法
B07 放射線治療
B08 病理・基礎研究
B09 症例報告
B10 術後合併症・周術期管理
B11 代謝・栄養・緩和
B12 その他
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